りずみんの健康管理コラム
RIZUMIN’S COLUMN

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大豆から大豆イソフラボンを摂取しよう!
2月は節分があり、豆まきをされた方も多いのではないでしょうか?古来より、節分に豆まきをすることで、邪気を追い払うことができると言い伝えられています。この豆まきをする際に使用される大豆は、とても栄養価が高く、積極的に取り入れたい食材の一つです。
今回は、そんな大豆に含まれる大豆イソフラボンについてご紹介します。大豆イソフラボンは特に女性におすすめの成分であり、効果や働きにも注目してみていきましょう。

大豆イソフラボンとは?
大豆イソフラボンは、ポリフェノールの1つで、ダイズイン、ゲニスチン、グリシチンなどの成分の総称です。その名の通り、大豆(特に大豆胚芽)に多く含まれる成分で、日頃の食生活では豆腐や納豆、豆乳、きな粉、味噌、醤油などから摂取することができます。
大豆イソフラボンの1日の摂取目安は?
大豆イソフラボンの1日の摂取量は、50㎎程度を目安にしましょう。また、特定保健用食品として摂取する場合の上乗せ摂取量の上限値は、30mg/日とされています。
長期間にわたってサプリメント等を摂取する場合には、過剰摂取に注意しましょう。

大豆イソフラボンの働き
エストロゲン様作用
大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ており、別名「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。体内に入ると、エストロゲン受容体(エストロゲンレセプター)に結合することで、弱いエストロゲン様作用を示します。
エストロゲンは、妊娠準備や女性らしい体づくり、精神を安定させる、肌の潤いを保つなど、様々な働きがあります。しかし、更年期に入るとエストロゲンの量が急激に減少し、イライラやホットフラッシュ(のぼせ)などの更年期障害が現れることがあります。そのため、大豆イソフラボンからエストロゲン様作用を受けることで、更年期障害の症状緩和が期待できます。

美しい肌を作る
肌のターンオーバーを促したり、紫外線によるメラニンの生成を抑制したりして、シワやシミを防ぎます。
骨粗鬆症の予防
骨は、骨吸収(骨の破壊)と骨形成(骨の再生)を繰り返すことで、新しい骨に入れ替わっています。しかし、骨吸収が活発になると骨がもろくなり、骨粗鬆症の原因となります。エストロゲンは骨形成を促す働きがあるため、大豆イソフラボンにも同様な効果が期待されます。
動脈硬化を防ぐ
大豆イソフラボンは、悪玉コレステロールや血圧を下げる効果が期待されており、脂質異常症や動脈硬化を防ぐことにつながります。

「エクオール」って知ってる?
大豆イソフラボンを意識的に摂ってみたものの、特に体調の変化を感じなかったという方はいませんか?
近年の研究では、大豆イソフラボンはそのまま体内に吸収されるより、「エクオール」という成分として吸収された場合の方が、エストロゲン様作用がより高く発揮されることが分かってきました。しかし、エクオールを産生できるのは日本人の約半分で、残りの半分は残念ながら産生することができません。また、若い世代では2割程度しかいないといったデータもあります。
大豆イソフラボンがエクオールになるには
大豆製品を食べて、大豆イソフラボンが腸内に入ると、エクオール産生菌という腸内細菌によって代謝され、その副産物としてエクオールが産生されます。つまり、エクオールの産生には、腸内にエクオール産生菌がいて、活発に活動していることが重要です。エクオール産生菌が活発に活動している人は、腸内細菌が多様で、善玉菌が多く、バランスの良い食生活をしていることが分かっています。
なお、自分自身がエクオールを産生できているかは、尿検査などでチェックすることができます。
もしエクオールを産生できる場合でも、大豆イソフラボンを定期的に摂取しないと、体内で一定量を保つことはできないため、大豆製品を意識して摂ることが大切です。また、産生できない場合には、エクオールをサプリメント等で補うことが可能です。ただし、大豆製品にはその他にも様々な栄養素が豊富に含まれているため、食生活には取り入れるようにしましょう。
大豆の栄養素
大豆には、大豆イソフラボンだけでなく、体にとって良い栄養素が豊富に含まれています。
・タンパク質
大豆には肉や魚に匹敵するほどタンパク質が豊富に含まれており、人の体内で作ることができない必須アミノ酸9種類をすべてを補うことができます。
・脂質
大豆の脂質には、体内で作ることができない不飽和脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸が多く含まれており、コレステロールや血圧を下げたりする働きがあります。
・食物繊維
水溶性・不溶性ともに含まれており、特に不溶性食物繊維が豊富なため、便のカサを増やして、腸の動きを活発にしてくれる働きもあります。
・その他
ビタミンB群やビタミンE、葉酸、カリウムなど
このように豊富な栄養素が含まれる大豆は、とても優秀な食材といえます!

いかがでしたか?
日頃から大豆製品を意識的に取り入れることで、大豆イソフラボンやさまざまな栄養素を気軽に摂取することができます。大豆イソフラボンには、悪玉コレステロールを下げたり、血圧を下げたりする働きもあるため、女性だけでなく男性も意識して摂るようにしたいですね!
健康管理能力検定3級では腸内環境、2級では女性ホルモンについてなど幅広く学んでいただけます。

著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会