りずみんの健康管理コラム

RIZUMIN’S COLUMN
りずみんの健康管理コラム りずみんの健康管理コラム
2025.09.16
レシピ
秋の健康管理
食事・栄養
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秋を味わう行楽行事 ~彩りと栄養で育む食のチカラ~

暦上では秋を迎えたものの、日中はまだ夏の名残を感じるような、汗ばむ陽気が続いています。そんな中でも、朝晩の風にはどこか涼しさが混じり、木々の色づきや虫の声が少しずつ季節の変化を知らせてくれます。 初秋は、運動会や遠足、紅葉散策など、お弁当を持って出かけたくなる季節。行楽弁当は、家族の時間を彩るだけでなく、子どもも大人も”食”について考えるきっかけになる、ささやかな食育の場でもあります。

今回は行楽の秋にぴったりな旬の食材や、彩りと栄養の工夫を通じた食育のヒントをご紹介いたします。

行楽の秋とは

「行楽の秋」とは、レジャーや観光に最も適した季節であることを表す、昔から親しまれている言葉です。言葉にはただのレジャーや観光だけでなく、自然や文化、食を味わいながら、心豊かに季節の変化を感じるという、日本人らしい感性が込められています。

秋の味覚で季節を楽しむ

秋は「実りの季節」であると同時に、東洋医学では”乾燥”と”肺”の関係が深い季節とされています。朝晩の冷え込みや空気の乾燥が強くなり、呼吸器系やお肌の乾燥、便秘などのトラブルが起こりやすくなります。そんな季節を健やかに過ごすためには、身体を潤し、内側から整えてくれる”秋の養生食材”を意識的に取り入れることが勧められています。
以下に、秋におすすめの食材を効果ごとにまとめました。

潤いを補い、乾燥を防ぐ食材

肺や皮膚の粘膜を守るビタミンB群・ビタミンC・食物繊維などが豊富な白い食材が特におすすめです。

〈れんこん〉
ビタミンCが豊富で、肌や粘膜の潤いを保ち、風邪予防にも効果的です。食物繊維が多く、整腸作用もあります。

〈大根〉
消化を助ける酵素(ジアスターゼ)が含まれ、胃腸を整えてくれます。

〈長いも〉
粘り成分が粘膜を保護し、胃腸に優しい食材です。疲労回復に良いビタミンB群も含まれます。

〈白ごま〉
良質な脂質やセサミン、ビタミンEを含み、乾燥肌対策やアンチエイジングにも効果的です。カルシウムも豊富に含まれます。

免疫機能をサポートし、季節の変化に強い身体をつくる食材

秋は夏の疲れが出やすい季節。ビタミンA・C・Eなどの抗酸化ビタミンは、粘膜を守り、風邪予防やアレルギー対策にも効果的です。また、良質なたんぱく質・鉄・DHA・EPAなどを含む食材で、体力の回復と脳の働きをサポートしましょう。

〈きのこ類〉
食物繊維やビタミンDが豊富で、腸内環境を整えてくれます。また、β-グルカンには抗ウイルス・抗腫瘍作用もあるといわれています。

〈かぼちゃ〉
β-カロテンが豊富で、体内でビタミンAに変換され、粘膜を保護し、風邪予防に効果的です。

〈さつまいも〉
食物繊維とビタミンCが豊富で、腸内環境を整えながら、抗酸化作用も期待できます。

〈栗〉
ビタミンCやビタミンB群、カリウムを含み、疲労回復や冷え性改善に役立ちます。

〈さんま、サバ、鮭〉
良質なたんぱく質に加え、DHA・EPAが脳や神経の働きをサポートしてくれます。血中のコレステロールを低下させる働きもあり、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。

旬の食材を取り入れることで、料理のおいしさだけでなく栄養価も高まり、食卓・お弁当がより豊かになります。そして「今の季節には、どんな食材が旬なのか」といった会話を通じて、季節の移り変わりや自然の恵みに目を向ける力、いわば”食に対する感性”が育ちます。

秋の味覚を取り入れた行楽弁当を作ろう!

秋の味覚を取り入れた行楽弁当は、見た目にも味にも季節感があふれ、食を通じて自然の移ろいを感じることができます。東洋医学の知恵をヒントに、心と身体を整える「優しいお弁当作り」をぜひ楽しんでみましょう。

お弁当の「彩り」は栄養バランスのヒント

赤・黄・緑・白・黒など、色とりどりのおかずが並ぶお弁当は、見た目が華やかになるだけでなく、栄養バランスの整った食事につながります。赤や黄にはβ‐カロテン(ビタミンA)、緑にはビタミンCや葉酸、白には食物繊維、黒にはミネラル類など、それぞれに健康を支える栄養素が含まれます。

秋のおすすめ食材を取り入れた行楽弁当

〈赤・黄色〉
秋の代表食材であるかぼちゃを煮物にすると、黄色の鮮やかさと自然な甘みが楽しめ、コロッケやサラダにしても、満足感たっぷりです。

〈緑〉
代表的な春菊やブロッコリーに加え、青唐辛子類もおすすめです。軽く焼いておかか醤油をかければ、シンブルながらの大人好みの味に仕上がります。

〈白〉
シャキシャキとした食感のれんこんできんぴらやはさみ焼きにするとお弁当の主役になります。デザートには、みずみずしい梨を少し添えると、すっきりとした甘さで口の中をリセットしてくれます。

〈黒〉
秋の味覚であるきのこ類は、加熱すると黒みが増し、香りも際立ちます。バターソテーや炊き込みご飯にすると、お弁当全体に深みを加えてくれます。

食べる楽しみを共有する

行楽弁当は、作る人・食べる人の両方の愛情と工夫が詰まった”会話のきっかけ”でもあります。「このおかず、誰が好きかな?」「これ自分で詰めたんだよ!」そんなやり取りが、感謝の気持ちを育て、食への興味を深めてくれます。自分や家族の健康を見つめ直すきっかけとして、ぜひご活用ください。

いかがでしたか?
行楽の秋は、五感で季節を味わい、家族で豊かな時間を過ごす絶好のチャンスです。
おいしく、楽しく、そして健康に。
この秋、”食”を通じて自然の恵みと向き合う時間を過ごしてみてください。

健康管理能力検定3級では食事のリズムについて、2級では消化管のリズムや栄養素の働き、秋のくらし方になどについても学んでいただけます。

著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会