りずみんの健康管理コラム
RIZUMIN’S COLUMN- #冬の健康管理
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冬の寒さによる頻尿に悩んでいませんか?
新年明けましておめでとうございます。今年も様々なテーマで健康コラムを掲載させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今の時期は「寒い!」とつい口に出してしまうほど寒さが増す季節です。そんな寒い時期になると「頻尿」に悩まされるという方はいませんか?冬は他の季節よりもトイレが近くなりますが、それはなぜでしょうか。
今回は、頻尿にかかわる腎臓の働きや原因についてご紹介します。
頻尿とは?
頻尿とは、排尿回数が増えることで、日常生活に支障を伴う状態をいいます。
目安として、朝起きてから寝るまでの間に8回以上トイレに行く場合を「昼間頻尿」、夜寝てから朝起きるまでの間に1回以上トイレに行く場合を「夜間頻尿」といいます。排尿回数には個人差があるため、これらの回数はあくまでも目安となりますが、トイレに行ってもまたすぐに行きたくなったり、夜間にトイレに行きたくて何度も起きてしまったりする場合は、頻尿の疑いがあります。
昼間頻尿はトイレの心配から日中の活動低下を招き、夜間頻尿は睡眠の質が低下し、QOLを低下させたり、仕事や日常生活に支障をきたしたりする原因になります。
尿が排泄されるまでの流れとは?
尿は腎臓で作られており、尿管を通って膀胱に一定量溜まると、膀胱の神経が刺激されることで尿意を感じ、排泄されます。
尿は血液が元となってできており、腎臓に血液が流れ込むと、腎臓の糸球体という場所で血液中の老廃物や有害物質、水分などがろ過されて、尿のもととなる原尿が作られます。原尿には体に必要な栄養素や水分がまだ多く含まれるため、尿細管で99%が再吸収され、残りの1%が尿管を通って膀胱に流れていき、尿として排泄されます。
膀胱の容量は500mL程度ですが、尿が200mLほど溜まると、内圧が上がることで神経が刺激されて尿意を感じ、体外に排出されます。
冬に起こる頻尿の原因
冬は、寒さによって汗をかきにくい傾向にあります。そのため、夏場には汗として体外に排出される水分が、冬場は尿として排出されるため、尿量が増加します。
また、寒さから体を守るため、自律神経の一つである交感神経が優位になると、膀胱が収縮するため、通常よりも尿が溜まっていない状態で尿意を感じやすくなります。
さらに、寒さで温かいコーヒーや緑茶などを頻繁に飲むと、カフェインやカリウムの利尿作用によって、頻尿になりやすくなります。
病気が隠れているかも?
頻尿には、冬の寒さによって起こるものだけでなく、膀胱炎や前立腺肥大、過活動膀胱といった病気が隠れている可能性があります。
また、糖尿病や心臓病、腎臓病といった基礎疾患がある場合にも、多尿になったり、膀胱を収縮させる神経が障害されたり、薬の副作用などによって頻尿を招いている可能性もあるため、注意が必要です。
頻尿が続く場合には、一度泌尿器科で受診するようにしましょう。
頻尿対策
体を温めよう
体を常に温めることが大切です。特に、下半身を冷やさないよう注意しましょう。
例えば、家にいるときは暖房を適切に使用し、厚手の靴下や腹巻などを着用しましょう。外出時には、厚手のアウターやマフラーなどでしっかりと防寒し、ひざ掛けやカイロなど寒い所で使用できるアイテムを持ち歩くのがお勧めです。お風呂に入る際には、シャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かって体を温めるようにしましょう。
飲食を意識しよう
水分やアルコール、カフェイン、塩分の摂り過ぎは避け、温かいものを取り入れるようにしましょう。
体を温める効果がある食品として、未精製の玄米や全粒粉のパンなどの穀物、ヨーグルトやキムチ、味噌などの発酵食品、冬が旬な大根や白菜、ネギ、ほうれん草などの食材がおすすめです。
運動しよう
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血流を促し、冷えを解消する効果があります。
また、骨盤底筋を鍛えることもおすすめです。骨盤底筋とは、排尿や排泄機能をサポートしたり、膣や尿道をしめたりする役割がある骨盤の底にある筋肉です。この筋肉が緩むと頻尿にも繋がるため、椅子に座ったり、仰向けに寝たりしたまま腹式呼吸をするなど、骨盤底筋を鍛えるトレーニングを取り入れてみましょう。
いかがでしたか?
冬の時期に頻尿になりやすいなどお悩みの方は、体を良く温めたり、食べるものを意識してみたり、運動を取り入れてみたりすると症状が改善されるかもしれません。
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著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会