りずみんの健康管理コラム
RIZUMIN’S COLUMN

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新生活で交代勤務がはじまる人に!上手に付き合っていくためには?
新生活が始まるこの季節、環境が大きく変わり生活リズムなども変化しやすい時期です。その中でも、仕事で交代勤務体制が始まり、不安を抱えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回のコラムでは、交代勤務で起こりやすい健康問題や上手に付き合っていく方法についてご紹介します。

様々な働き方
職種によって勤務体制は様々であり、固定時間制やフレックスタイム制、テレワークなど多くの働き方が存在します。その中でも、働く時間や休暇が週によって違い、睡眠や健康に影響を与えかねないのが、交代制勤務の方です。毎日同じような生活リズムを形成するのが難しく、体のリズムが乱れることで、心身に大きな負担がかかります。
体のリズムとは?
私たちの体は、夜になると眠くなり、朝になると自然と目が覚めて、朝昼夕になるとお腹が空きます。このリズムは、体に存在する時計遺伝子が、体内時計に沿って体を動かしているため起こる現象です。すべての人がこの体内時計を持っており、リズムが乱れることで心身ともに様々な症状が現れます。

交代勤務で起こる健康問題とは?
生活習慣病
交代勤務の人は、メタボリックシンドロームになりやすく、糖尿病やがんなどの危険性が高いことが分かっています。通常は、三食食べる食事も、どこかの食事が抜けてしまったり、寝る直前に食事を摂ってしまったりと、食事のリズムが乱れやすくなります。また、手軽に食べられるパンやおにぎり、カップラーメンなど食事内容に偏りが出てしまい、体に必要な栄養素が不足するといったことも起こりえます。このような食事の摂り方が長期間続くことで、生活習慣病のリスクが高まります。
睡眠障害
交代勤務によって、睡眠時間がズレたり、減ったり、明るい時間に眠らなければならず、眠りにつきにくくなったりすることで、本来の体内時計と実生活にズレが生じます。すると、時差ボケのような状態となり、不眠や勤務中の過度の眠気、勤務中の注意力や作業能率の低下、体調不良などを引き起こすことがあります。また、慢性的な寝不足は食欲を抑えるレプチンというホルモンを減少させ、食欲を増やすグレリンというホルモンを増加させます。そのため、食べすぎによる肥満やそれに伴う生活習慣病のリスクも高まることが分かっています。そして、生活習慣の乱れやストレスなど様々な要因が重なることで、うつ病の発症リスクも高まります。

対処法
仮眠
夜勤中に仮眠を取ることで、仕事の効率が改善されることが分かっています。ただし、一時間以上の睡眠は眠りが深くなってしまい、その後の仕事効率が低下すると言われています。そのため、夜勤中の仮眠時間は30分程度を目安にしましょう。
カフェイン
カフェインには、眠気を覚ましたり、疲労を改善したりする効果があります。この効果は摂取して30~40分で現れ、4~5時間持続します。そのため、カフェインを含むドリンクなどを夜勤の前半に取るなど、上手く活用しながら仕事を行うことも効果的です。カフェインを多く含む飲み物には、コーヒーや玉露、エナジードリンク、紅茶などがあります。
しかし、カフェインの摂りすぎは、めまいや心拍数の増加、不眠などの体調不良に繋がりかねないため、摂取量は一日400mg以下(コーヒー4杯程度まで)に調整するようにしましょう。また、夜勤が終わる明け方に摂ってしまうと、帰宅後の睡眠に影響を与えてしまうため、飲む時間にも注意する必要があります。
遮光
朝の光は、体内時計をリセットする働きがあります。夜勤明けに仮眠をとる場合、朝の光を浴びてしまうと、体が朝モードに切り替わり、ぐっすりと眠れなくなってしまうため注意が必要です。終業後は、サングラスや帽子、日傘などを利用し、日の光をなるべく浴びないように注意しましょう。

いかがでしたか?
様々な対策をとり、少しでも体の調子を整えられるように意識してみましょう。
健康管理能力検定3級では、交代勤務で体内時計を乱さない工夫や生活リズムの整え方、2級では睡眠のメカニズムついても学んでいただけます。

著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会