りずみんの健康管理コラム
RIZUMIN’S COLUMN- #冬の健康管理
冬の風邪予防 ~乾燥予防と水分補給~
寒さが身に染みる季節となりました。空気が乾燥するこの時期、風邪をひいている方も多いのではないでしょうか?今回から2回にわたり、冬の風邪予防についてご紹介いたします。
ところで、皆さんは冬も意識的に水分を補給されていますか?
夏は熱中症予防のために積極的に水分補給をする方も多いですが、冬は空気が乾燥しているため、風邪予防の面からもこまめな水分補給が必要になります。
そこで、今回は加湿と水分補給による風邪予防対策についてご紹介いたします。
体の水分と役割
水分は体の中でさまざまな役割を果たしています。口から入った水分は胃と腸を通過して、毛細血管に吸収され、血液に入り込みます。血液は全身を巡り、細胞に新鮮な酸素や栄養を与え、老廃物を引き取る役割がります。そのほか、体温調節、体液の濃度や浸透圧の調整など、生きる上で重要な働きを担っています。
人間の体のおよそ60%は水分です。そして、1日に呼吸や汗、尿や便などで体外に出ていく水分量はおよそ2.5ℓです。一方、食事や体内で作られる水分は1.3ℓ程度なので、飲み水として1.2ℓ程度必要となります。
夏は発汗や喉の渇きで水分不足を自覚しやすいですが、冬は空気の乾燥によって呼気や皮膚から水分が蒸発する「不感蒸泄」が増えるため、気付かないうちに水分が失われてしまいます。特に、外気にさらされている皮膚や喉、鼻などの粘膜は、乾燥しやすく水分を失いがちです。そのために、こまめな水分補給により、潤いを保つ必要があります。
なぜ、冬は風邪をひきやすいの?
冬に風邪をひく主な原因は、体温が下がることで免疫力が落ちるからです。体温が1度下がると約30%も免疫力が低下するといわれています。加えて、風邪やインフルエンザの原因となる細菌やウイルスは、乾燥した状態で活発になります。本来であれば、細菌やウイルスが体内に侵入してきても、白血球の免疫システムが働きます。
しかし、免疫力が落ちていたり、水分不足や低体温により血流が悪くなっていると、白血球の働きが悪くなってしまい、細菌やウイルスの侵入が防げずに感染してしまいます。
通常、常に外気と触れ合っている喉や鼻は、空気中の細菌やウイルスが侵入してこないように、粘膜でおおわれています。しかし、乾燥していると細菌やウイルスが付着しやすくなります。そして、炎症を起こし、喉が痛い、鼻水が出る等の症状を引き起こします。
風邪予防には!
- ●水分補給
血行を促進し、喉を潤すために、こまめな水分補給が大切です。喉が渇いていなくても水分は奪われている可能性があります。冬でも1日に1.2ℓ程度の水分補給をしましょう。コップ1杯程度の水を6~8回が目安です。
寝ている間は水分補給ができないため、朝起きたら水分を取る習慣を付けましょう。また、寝る前にも水分補給をしておきましょう。しかし、摂りすぎは睡眠の質を悪くするので注意が必要です。
冷蔵庫から取り出してすぐの飲み物は胃腸を冷やし、体温や、免疫力の低下につながりますので、温かいものが良いでしょう。電子レンジで温めたり、スポーツドリンクなどはお湯割りにして飲んだりしても良いでしょう。
- ●食事やおやつにも工夫を
飲み物だけでなく、食事中にも水分補給は可能です。スープやみそ汁などを活用しましょう。ショウガを入れると代謝が良くなり、体も温まります。また、水分が多い果物を積極的に取るのも良いでしょう。冬の定番のみかんは、水分も多く、ビタミン類も豊富なのでおやつにおすすめです。
- ●手洗いうがい
手洗いは手に付着した細菌やウイルスを洗い流す役割があります。うがいは、喉に付着した細菌やウイルスを洗い流すだけでなく、喉を潤す役割もあります。
まずは、口の中をゆすぎ、口内の細菌やウイルスを除去しましょう。そのあと上を向いてガラガラうがいで喉の奥を洗い流しましょう。
- ●湿度管理
湿度が高いと細菌やウイルスは活動が急激に低下するため、湿度管理も風邪対策には必要です。湿度の目安は50~60%です。加湿器を使用したり、室内に洗濯物を干したりすることで湿度を保つようにしましょう。多湿になると、窓の結露やカビ、家具を傷めることもありますので注意してください。
また、マスクの着用は細菌やウイルスを口内に侵入させないだけでなく、口元の加湿によって喉の乾燥を防ぐためにも効果的です。
手洗いうがいは定番ですが、こまめな水分補給も忘れずに!体を内側から潤すことで、冬の風邪予防をしていきましょう。
次回は、腸内環境を整えることで免疫力を上げて風邪を予防する方法についてご紹介します。
「健康管理能力検定」公式テキスト2級では、体内リズムを整えて、健康で美しいカラダを創る具体的な方法について、学べます!
健康管理で心身ともに健やかに真冬を乗り越えませんか?
2018.12.14
著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会