りずみんの健康管理コラム

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2024.02.09
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牛乳貧血ってなに!?上手に牛乳を取る方法

牛乳貧血ってなに!?上手に牛乳を取る方法

「牛乳を飲むと貧血になる」とインターネット上で話題になっていますが、本当なのでしょうか?結論から言うと、「牛乳を飲むと貧血になる」というのは間違いです。ただし、年齢別で気を付けるべき点がいくつかありますので、解説していきます。

赤ちゃん用のミルクと牛乳の違い

生まれてから1歳程度までの乳児は、母乳または乳児用ミルクを飲み、鉄分を補給しています。母乳に含まれる鉄は約0.2mg/100ml、乳児用ミルクに含まれる鉄は約0.6mg/100mlです。一方、牛乳に含まれる鉄は0.02㎎/100mlと、微量しか含まれません。
乳児期に、母乳または乳児用ミルクの代替品として牛乳を飲ませることは、鉄欠乏性貧血のリスクを高めます。また、腎臓の機能や消化器官も未発達のため、タンパク質やミネラルを多く含んでいる牛乳は、臓器に負担がかかったり、アレルギーを発症したりすることがあるため、乳児期の牛乳飲用は避けましょう。なお、アレルギーがない場合は、牛乳を加熱して離乳食に使うぶんには構わないとされています。

小さい子供の場合

牛乳は脂肪分を含んでいるため、飲み水代わりに牛乳を飲んでいると満腹になってしまいます。そうすると、食事の時間になってもおなかが空かず、食べることができません。食事からの栄養不足に陥り、貧血が起こることがあります。
ただし、牛乳に含まれるカルシウムは成長にとって重要な栄養素のため、牛乳は適正量取りましょう。1日あたり200ml程度がおすすめです。間食として飲んだり、数回に分けて飲んだりすると、食事に影響を与えずに上手にとることができます。

大人の場合

大人は、食事から鉄を補給することができるため、適度な量の牛乳を飲むことであれば貧血になることはありません。
逆に牛乳に含まれるカルシウムが重要になるため、牛乳や乳製品を摂取することは推奨されています。
骨の主成分であるカルシウムが不足すると骨粗鬆症になる危険があるためです。骨粗鬆症とは、骨に蓄えられたカルシウムの量が減少して、スカスカになり、骨がもろくなった状態をいいます。
骨量は、20歳ころまで増加し、ピークを迎え、その後は減少をたどります。特に、女性は女性ホルモンであるエストロゲンの働きにより、骨を壊す破骨細胞の働きを制御していますが、閉経を迎えるとその働きを制御できず、骨はもろくなっていきます。積極的に牛乳からカルシウムを取り、骨粗鬆症に備えましょう。

【牛乳200mlあたりのカルシウム量】
231㎎

【カルシウムの1日摂取基準】
成人男性:600~650㎎/日
成人女性:550~600㎎/日

いかがでしたか?牛乳を過剰に飲むと、カルシウムが鉄の吸収を阻害することがありますが、「牛乳を飲むと貧血になる」ということはありません。年代ごとに必要な栄養素を摂るために、適正量を飲みましょう。
健康管理検定2級では、身体に必要な栄養素や消化吸収について学ぶことができます。3級では、生活のリズムや体内時計の仕組みなどが学べます。

著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会