りずみんの健康管理コラム

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2021.05.17
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良い油、悪い油、脂質の働きを学ぼう!①

食事の脂質と聞くと、揚げ物や油たっぷりの肉をイメージする方が多いのではないでしょうか。

この悪者のイメージのある脂質ですが、私たちの体にとっては必要な成分でもあります。体ではどのような働きがあるのでしょうか。今回は、脂質についてみていきましょう。

脂質の種類役割

脂質は4つに分かれています。

中性脂肪

中性脂肪はグリセリン+脂肪酸で構成されています。エネルギー源として体の脂肪組織に存在しており、1gで9kcalのエネルギーを生み出します。体温の保持、外部の衝撃から内臓を守ったりする役割があります。

また、食品に含まれる脂質の大部分も中性脂肪になります。グリセリン1つに対して脂肪酸が3つついていることからトリグリセリドともいわれています。

脂肪酸

脂肪酸は、結合の仕方によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられています。エネルギー源になったり、細胞膜の構成成分にもなったりします。
また、悪玉コレステロールを増やすもの、善玉コレステロールを増やすものなど、様々な働きがあります。

脂肪酸には、体内で合成できないものがあり、それらは食事から取らなければなりません。

リン脂質

リン脂質は、体の中では、細胞膜を構成しています。水に溶けにくい物質を水になじませる役割もあります

例えば、コレステロールや中性脂肪が血液や胆汁になじむことができるのは、リン脂質と結合することで水分になじむからです。

コレステロール

コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料になります。また、脂質の消化吸収に必要な、胆汁酸を肝臓で合成するときの材料になるなど、重要な役割を果たしています。

そのため、体内でも合成することができ、およそ70~80%が体内で合成されています。そして残りの20~30%は食事由来となっています。

善玉コレステロールと悪玉コレステロールって何?!

コレステロールや中性脂肪は水に溶けないため、水に溶けやすいリン脂質とタンパク質に包まれた「リポタンパク」として血液の中を流れています。リポタンパクは、組成によって比重や粒子のサイズが異なります。

主に、カイロミクロン、VLDL、LDL、HDLに分けられます。このうち、コレステロールを最も多く含むものがLDLです。LDLは、全身にコレステロールを運ぶ役割を担っていますが、血中に増えすぎると血管の内側に蓄積をして、動脈硬化を引き起こす原因になります。そのため、LDLは悪玉コレステロールと呼ばれています。

一方、タンパク質を多く含むHDLは、各部位の細胞で使われなかった余分なコレステロールや血管の内側に蓄積したコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役目をします。そのため、HDLは善玉コレステロールと呼ばれています。

脂質の上手な食べ方

脂質は食事から摂取する総エネルギーの約20~25%を目安に取るのが良いとされています。脂質が不足すると、エネルギー不足になるほか、血管や細胞膜が弱くなり、脳出血を引き起こすリスクがあります。

逆に、脂ののった肉や揚げ物、スナック菓子、コンビニ弁当、カップ麺などをよく食べる人は、脂質の過剰摂取となり、肥満、脂質異常症、動脈硬化などの発症につながるため、注意が必要です。

また、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸といった脂質の種類もバランスよく取る必要があります。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の分類については次回解説をいたします!

いかがでしたか?
脂質は体内で重要な役割を担っているため、必要量を摂取することが大切ですが、取りすぎると動脈硬化や生活習慣病の原因になります。

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著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会