りずみんの健康管理コラム
RIZUMIN’S COLUMN- #通年
健康診断前日に、どう過ごしたらいい!?
健康診断前日に、どう過ごしたらいい!?
健康診断は、身体の健康状態をチェックするために行われる検査です。健診の前日になってどうすればいい?何をやってはいけないの?と、焦ってしまうことはありませんか?
今回は、健康診断の前日に気を付けたいことと取り入れたい生活習慣について紹介いたします。
健康診断を受ける前日、こんなときどうする?!
健康診断は身体の健康状態をチェックするための重要な検査ですが、正しい方法で受けなければ、検査結果に影響を与えることがあります。まずは、検査の際に配布されるガイドブックなどをよく読んで、以下のようなことは避けるようにしましょう。
① 過度な運動は大丈夫!?
過度な運動は避けましょう。クレアチニンという腎臓の機能を検査する項目があります。クレアチニンは、筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つです。体にとって不要なもののため、通常尿として体の外に出ていきます。しかし、腎機能が低下していると尿として排泄できずに、血液中のクレアチニン濃度が高くなります。過度な運動をするとクレアチニンの量が増えて、血液中の濃度が上がるため、本来腎機能を検査するための項目に異常をきたしてしまうことがあるのです。
② 飲酒しても大丈夫?
飲酒は避けましょう。γ-GTP(ガンマGTP)という肝機能検査の項目があります。γ-GTPという酵素は、肝臓における薬物や毒物、アルコールなどの解毒にとても大切な役割があり、肝臓の細胞の中に多く含まれています。飲酒をするとアルコールを解毒するために、肝臓の細胞に余分な負担がかかり、血液中のγ-GTPの値が上がります。本来、肝機能の低下、脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変などの病気を早期発見する項目になりますが、前日の飲酒の影響により異常値になることがあります。
さらに、アルコールは血液中の中性脂肪やコレステロール、尿酸などを増加させるため、血液検査にも影響を与えることがあります。健診前日の飲酒は避けましょう。
③ 健康診断前日だけダイエットする意味はある??
健康診断前日に過度な食事制限は避けましょう。ただし、健診時間の10時間前くらいからは飲食は禁止されています。これは、血液検査における空腹時血糖値の値を正確に測るためです。空腹時血糖値は前日の食事が影響しますが、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値を見ると1~2か月間の食生活が反映されるため、健診前だけ食事制限を行っても普段の食生活は血液検査で分かってしまうのです。健康診断では、普段の食生活における検査を行うことで、生活を見直すことがそもそもの目的であるため、健診前だけ食事制限を行うことなどは控えるようにしましょう。
④ 普段飲んでいる薬はどうしたらいいの!?
糖尿病の薬は当日の朝の服用は控え、心臓病や高血圧の薬は健診受付の2時間前までに服用しましょう。その他の治療薬につきましては主治医に確認しましょう。
⑤ 検便ってなんで2回するの!?
健康診断で行われる検便検査は、「便潜血反応検査」という便の中に血液が混ざっていないかどうかを調べる検査です。腸管からの肉眼で見えない出血も検出し、大腸がんや大腸ポリープなどの発見につながります。大腸がんが起きている場合、出血を伴うことが多く、便に血が付着することが多いですが、採用した便に必ず毎回、便に血液が混じるわけではないため、精度を上げるために2回採取が推奨されています。使用する際には、使うキットの説明をよく読み、便の表面をからめとるようにします。検便には「腸内細菌検査」という検査もあり、これは飲食店などに務めている人が検査をする検便です。検査項目が違うため、きちんと目的に合った採取方法をしましょう。
以上のように、健康診断前日には、注意すべき事項があります。まずは、説明書をよく読んで、普段通りの生活を送り、健康的な状態で検査に臨むようにしましょう。
健康診断はなぜ受けるの!
健康診断というと、身構えてしまう人が多いのではないでしょうか?健康診断を受けることは多くのメリットがあります。
健康診断を受けることで、自分の健康状態を把握することができます。自分自身では気付かない健康上の問題点があるかもしれません。健康診断で検査結果を知ることで、自分の体について正確な情報を得ることができ、適切な対処ができるようになります。
また、健康診断を受けることで、病気や疾患を早期発見することができます。病気や疾患は初期段階では症状が出ないことが多く、気付かないうちに進行してしまうことがあります。そのため、定期的に健康診断を受けることで、早期発見・治療が可能となり、病気の進行を防ぐことができます。
さらに、健康診断は生活習慣の改善にも役立ちます。健康診断で良くない検査結果が指摘された場合、改善すべき生活習慣の情報を参考に、普段の生活を見直すきっかけになります。
また、経年変化もしっかり確認しましょう。昨年と同じ判定で異常なしであってもその範囲の中で数値が上がったり下がったりしている場合もあります。健康診断は、自分の生活習慣を見直す最大のチャンスなのです。
健康診断を受けてから、どう生活するのかが重要!
ただ健診を毎年受けるだけではなく、その健診結果によって、自分の体に意識を向け、必要に応じて生活習慣を見直していくことこそが大切です。健康診断の項目には、「痛み」がなく進行してく病気を発見するためのものがたくさんあります。特定保健指導の対象になったり、再検査を進められたりしても、「痛くないから」「生活に支障がないから」と言って、健診結果を放置する人がいます。自覚症状が出てきたときには、かなり進行している場合が多いため、結果に伴う指示通りに対応することを心がけましょう。
~体内時計に着目をした、おすすめの生活習慣~
① 朝は太陽の光をしっかり浴びて体内時計を整えよう
朝日を浴びると体内時計がリセットされます。体内時計の乱れは肥満や糖尿病などの生活習慣病の発生にもかかわっているのです。
② 食規則正しい食生活をこころがけよう
1日3食、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく食べましょう。
③ 適度な運動をしよう
運動によって体内時計が整えられるため、適度な運動を心がけるようにしましょう。特に朝にリズム運動をすることで、セロトニンの分泌が促されて、イライラ防止や精神の安定、食欲防止などに繋がります。
④ ストレス管理をしよう
ストレスは自律神経やホルモンを乱す原因となり、体内時計を乱し、悪影響を及ぼすため、ストレスを溜め込まないように心がけることが大切です。ストレスを感じたら、リラックスするための時間を作るようにしましょう。
⑤ スマートフォンやパソコンは夜に使用しない!!
スマートフォンやパソコンなどの強い光を夜に浴びると、脳は朝だと勘違いをして体内時計のリズムを崩す原因となります。特に寝る前は、画面の明るさを落としたり、使用時間を減らしたりするようにしましょう。
以上のようなことに気を付けると体内時計を整えた規則正しい生活に近づきます。
体内時計の知識や正しい生活リズムの知識は、健康管理能力検定のテキストで学べます。知識を得れば、自然と行動も変わっていくものです。健診前日に焦ってあれこれ考えるよりも、毎日の生活を少しずつ変えていきませんか?今こそ、自分自身を変えるチャンスです。
ぜひ、健康管理検定で体内時計式の健康管理を学んでみましょう。
著者: 健康管理能力検定 監修: 日本成人病予防協会